コスモスを花束にして

大好きな人。50代も後半に再会しました。過去の記事は一部非公開になっているものもあります。

お試し

約束した日。その日まで彼から連絡は無し。携帯嫌いだと言っていた。ずっと見張られてるみたいでと。LINEなんかしなさそうだと思いながらLINEは?と聞いたときも「しない!」と。「やっぱりね」と私。仕事の休憩時間にスマホを見ると朝彼からメールが来ていた。

「今日は大丈夫か?」

「大丈夫だよ」簡単なやり取り。時間と待ち合わせ場所の再確認。


そして夜。彼の車。

「おい、開けすぎだぞぉ」日にちのことを言っている。前回会ってから今回まで2週間が長すぎだと。

「はい、おっしゃる通りです。それは認める。」とお詫び。

「なんか、ときめいちゃったよ、俺。お前は?」

「どうしようと思ってた。」笑ってる。

「薬局行かなくていいのか?」

「あれ?」

「うん」

「用意してきた」

「偉い!」褒められた。


軽く食事。アッサリ系のラーメンが食べたいと私が言い老舗のラーメン屋さんへ。カウンターで並んで食べ始めたら、丼を押さえていた私の左手を彼が押さえて自分のチャーシューを1枚ポイっと私の丼へおすそ分け。優しい微笑み付き。キュン!「ありがと」彼は微笑みのまま無言で食べてる。ズルイ俺様。こういうところが好き。


そして、いざ、ホテルへ。






部屋へ入って煙草を吸って、しばらくして、「シャワー浴びてきたら」

そっかシャワーね。ホント余りにもしばらくぶりでそんなことも忘れている。シャワーを浴びてソープで念入りに洗う。バスタオルで拭いて…えっと…服着るのおかしいよね?…どうすればいいんだっけ?…あ、バスタオルだけ巻いていけばいいのかな?

私の後に彼がシャワーを使う。私はソファに座ってついてるテレビを眺めて待つ。全然テレビが頭に入らない。

彼がベッドに入る。上掛けの右側をめくって無言の招き。身体を滑り込ませて抱き合う格好に。温かい。「こうやってるだけでもいいな」と私。これは本音。

「ホントに誰にも抱かれなかったのか?」優しく囁く。

「うん」「誰にも?」「誰にも」

そして私が巻いているバスタオルの留めてあるところを解く。ドキッとした!まるで初めてみたいに。

「痛かったら無理しないで言えよ」

「はい」……

「力抜いて」

「はい」……




実際、やはり潤い不足なので「痛い」というと、彼は「痛いか!?」と止めたり、ローションを使ってくれたり…そして私は足がつったようになったり。彼にゴメンと謝ってばかり。彼は「謝ることなんて何一つないさ」と優しい言葉。この俺様はベッドでは超優しいんです。昔から。初めての時も終わった後に私を膝に乗せて私の乱れた髪をブラシでとかしてくれたんです。その時はびっくりしました。当時彼を知る友人にその話をしたら、みんな「ええー!信じられない!」と言ってたっけ。

この日の途中から彼の私への呼び方が「お前」から「あなた」に変わった。





終わってピロートーク。私はイクことは出来なかったけど満足していた。彼は「いかせてやりたかったな」と言ってくれた。ありがとう。その言葉だけで満足だよ。


彼は私には安心感と信頼があると言ってくれた。コイツは大丈夫な女だと。だからとても気持ちが良かったし、いつになく元気だったと。最近こんなにならないぞ!なんて言ってくれた。嬉しい。そんな風に言ってくれて救われる。


私は男の人と付き合うと束縛したくなるしヤキモチ焼くからダメだよねって。でも、貴方とは不思議とそうならないんだよね、なんて話をした。

彼は「束縛しようとしても無駄だと分かっているからじゃないか?」

そして私の肩を抱きながら

「なぁ!これからたまにこうしないか!?」

「まぁ、たまにね。1か月かそれくらい…」

「いや!治療が必要だよ!あなた!1週間とか2週間おきくらいに!」

「そんなに頻繁に会ったら私貴方を縛っちゃう…」

「次、早いうちがいいぞ!」

もしもーし、私の話聞こえてます?

あーーー駄目だ。またキラキラした目をして。新しいオモチャ発見!って顔してる。

凄いいい事思いついた!って顔してーーー。

私はこの人のこの顔の前では、いつも無力だ。