パンドラの箱
「2人でパンドラの箱を開けたのかもね」
「分かる。ヤバイな」
そんなやり取りをした後日、会った日。
「あれ、災いがゾロゾロ出て、最後希望が箱の底に残るんだろ?」
「でも、パンドラが蓋を閉めたら希望が、私は大丈夫だから出して下さいって言って、希望も世の中に放たれるんだよ」
「ふーん」
そして、その日、私はついにイクことができた!久しぶりにその感覚で満たされて…とっても幸せ!その前も彼に抱かれてるだけで幸せだと思っていたけれど、彼が気にしていたので私も応えたかったし。
彼が「パンドラの箱、ずっと開けとけ」と甘く囁く。
「うん」と甘えた声で答える。
すっごく幸せな日だった。この日は…。
その10日後、会うのは彼からメールをもらい、いつも彼から誘ってもらってたので、たまには私から誘ってみようかなと思いメールしてみた。
メールした日は秋晴れのとても爽やかな日だったから「いい天気ね」と打とうと思ったけれど、缶詰で仕事中かもしれないし、携帯嫌いだし…と思ってシンプルに予定のお伺いだけにした。そしたら彼からの返信の冒頭が
「いい天気だね!」
びっくり!考えてたこと分かった?こんな些細なことが嬉しいんだから、私って単純。
そして翌週会う約束をした。
いつもどおり軽く食事をして、いつもどおり同じ場所へ。何もかもいつもと同じだったはずなのに…抱かれてる途中で彼から思いがけない言葉が…
「パンドラの箱を開けた責任は取るけど限度を超えたら逃げるぞ。」
(えっ⁉︎どういうこと⁉︎)
頭が混乱する。
「逃げるの?」
「あんまりしょっちゅうだと逃げる。」
その後は何を言ったらいいのか分からず…正直、あまり覚えていない。
ただ、彼が私が彼の身体に触るととても気持ちいいと言って、その後
「多分、情なんだろうな。」
と言ったので、
「私が“愛”情を込めて触ってるからよ」
と、さりげなく「愛」を入れたことだけ覚えている。彼は「うん」と言っただけだったけどね。
帰りの車の中。
私はもう一度ちゃんと聞いてみようと思った。
「どの位で逃げるの?」
「基本あまり逃げないよ。ただ、明日も明後日も、って言ったら逃げるな。」
「それは私が無理。」
「だろ?だからいいんだよ。………」
「……」の部分、よく覚えてないんです。このペースならいいような主旨のことを言っていたと思う。
「いいの?」と聞いた私に、
「いいよ。我慢出来なくなったら言って来い。」
(我慢出来なくなったら?)
再び頭が混乱する。
その後車の中はいつもの他愛のない会話もなく静かだった。耐えられず、
「何か2人で疲れたね」と私。
その後は彼が久しぶりに結婚式に呼ばれている話をしながら…いつもの場所で車を止めていつもどおりお互いの手をギュッと握って、またねって。
彼の手が温かくて、
「あったかい」
「ふふっ」
いつもどおりにしたつもりです。
悲しかった。ショックだった。
何がいけなかったんだろう?
私から誘ったのが悪い?
私何か気に触るようなこと言ったんだろうか?
彼のあの言葉だけが頭から離れず思い出せない。
なんであんな事言うんだろう?
私は貴方の彼女にはなれてなかったんだね?
責任?私がいつ責任取れって言ったの?
この前は「パンドラの箱ずっと開けとけ」って言ってくれたのに?
パンドラの箱の蓋は2人で開けたんだよ?一緒にだよ?
我慢出来なくなったら?そんな風に私のこと考えているの?
いくつもの⁇⁇が頭を駆け巡る。
私は一生彼に片想いしていくんだなと、この日思いました。
だから、「友達以上 彼女未満」なんです。
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