コスモスを花束にして

大好きな人。50代も後半に再会しました。過去の記事は一部非公開になっているものもあります。

これでいい

「待ってて」

って言うからずっと待っていた。きっと仕事のスケジュールの様子を見ているんだろうと。

ところが、これがまた連絡なし。

都合がいいと言った火曜日の前日。つまり月曜日に私から確認のメール。

「あの〜、待てって言われてご馳走を目の前にずっと待ってるワンちゃんみたいになってるんですけど。」

「すまない!明日はヨシ!だ。楽しみ。」

ホントにもう〜!と思いながら、

(楽しみ?…珍しい)

シッポをブンブン振って会いに行った。

この日は冷え込んで寒かった。


この前の発言の真意を確かめようと思ったけど止めることにした。聞いて私の望む答えが返ってこなければ落ち込むし、最悪喧嘩になるかもしれない。その話には触れないことに。

私の気持ちをちゃんと伝えようか…?

それも彼に負担感を与えてしまえば、もしかして終わりにしようとなるかもしれない。このままならお互いにいい関係を続けていけるんじゃないか。

せっかく会えるんだ。楽しい時間にしたい。

笑っていよう!


待ち合わせの時間に少し時間があるけど早めに行ってみることに。待ち合わせ場所が外なので寒いところで待ちはキツイなと思ったけど、そういえば前回も早めに行ったら彼は既に来ていた。もしかして、寒くなったから早めに来てくれてる?確かめる意味もあり早めに…居た!

車に乗り、

「早いね⁈」

「寒いなー」

「寒いから早めに来てくれたの?優し〜い!」

「優しいっていうか、寒いからさー」

「ありがとね」

笑ってる。

「シッポぶんぶん振ってるの見えた〜?」

「あー。首環でもつけてやろうか…って、どんなプレイだ?」

楽しい。


ご親戚の結婚式の話を楽しそうに話す。嬉しそうな顔。彼が可愛いがっていた歳の離れた従兄弟だ。私もその子が小さい頃に一度会ったことがある。彼の家に遊びに来ていた子。彼の嬉しそうな顔、話を聞いてると私も嬉しくなる。約束どおり彼が撮ってきたスーツ姿の写真。1人で写ってたらもらうつもりだったけど、ご親戚の集合写真!ちょっと貰えないなー。


食事して、いつもの部屋へ。

寒くて!

シャワーをしても寒くて!

彼が「寒い、寒い!」と言うので触ったらホントに身体が冷たい!

「私があっためてあげる。」

彼の身体に身体を密着。

「おー、あったかい!」

身体をさすったりして、温めているうちに、お互いの息遣いが荒くなる…空気も身体も気持ちもあったまりました。



途中で彼が

「俺も、あなたの○○○○に入れるのいつも楽しみにしてるんだよ」

「ホントに?」

「ホントに」

「嬉しい」

身体だけでも楽しみならいいじゃない。

この前と話が違うぞ?

ま、いっか。


別れ際

「また、近々頼むよ。」

ん?頻繁だと逃げるんじゃないの?

ま、いっか。

「またね」

手をぎゅっと握り合って

「おやすみ」



前回の発言を撤回するような彼の言葉。

世間話も会話が楽しくて。楽しい一夜。


うん、これでいい。こんなのがいい。

こんな日ばかりだといい。

仕方ない

彼の「逃げる」発言にすっかり傷心。

どーんと気持ちが落ち込んで、なかなか抜け出せない。

しまいには、

(ひどい男!最低!)

と、可愛さあまって憎さ百倍状態に。

もう、私に飽きたのかな?

連絡来ないかもね。

私から連絡しない!と。

それでも何かに頼りたくて…占いのサイトにハマってしまった。でも、無料診断止まりにしといたけどね。

アレは悪いこと書かないのかな?でも大分気持ちが楽になった。やり過ぎたのか、手首が痛い。スマホ腱鞘炎?

連絡来ない、連絡しない…。

私と彼は基本的に頻繁にメールのやり取りはしない。だから、どのくらいで彼が「あれっ? 」って思うか、思わないか。

これで終わるんなら仕方ない。

第一、初めから「治療」目的で、恋愛関係じゃない。

付き合ってないなら別れる必要もない。

会いたくなったら連絡すればいい関係。

そう割り切ればいいと自分に言い聞かせる。

…かなり難しかった。やはり傷がチクチク痛い。

彼が世界の全てになっている状態から抜け出したかった。

彼の発言に一喜一憂する私はもう沢山!

これじゃ、中学、高校の時と同じ!

強くなりたい!


私は相手に多くを求めすぎる。

長いクールダウンをしなきゃ。



そんな気持ちで日々を過ごし10日経った日、まだ家族が帰ってこなくて1人で夕食の準備をしていた。

ポン♪…メール着信の通知。

(また、お店メールだ)

一段落してスマホを見る。

彼だった!

「調子はどう?」

…調子って…って言うか

「今なの?」

大きな声で独り言。

いつもメールが来るサイクルより早い。

調子も何も、貴方のせいで最悪よ!と思った。

ワザと

「仕事が忙しいような暇なような変な日々です」

…って、彼が多分求めていない返事をする。そしたら案の定、スマホはシーンとしている。ほーら、自分の求めている返事じゃないから黙った!お前は子供か!と、1人で突っ込み。

しばらく放置したけど、ちょっと思い直す。

(仕方ない。助け船だすか)

「結婚式に着ていく服決まった?今週末だったよね?」

どうだ!返事しなきゃでしょ?さぁどうする!?

その日はそれで終わり。まぁ、いいや。これでノーリアクションならそれまでだ。


翌日返信がきた。

「スーツ買ったよ。

あなた、動きづらいか」

アレアレ?俺様にしては、なんか珍しく弱気なメール?

「スーツ⁉︎写メ撮ってきてね。見たい!

私、動けるよ。大丈夫。」

と、返した。彼は普段はスーツの要らない仕事だから見たい。

「分かったよ。

俺は来週なら火曜か木曜」

「どちらでも大丈夫。決めて。」

「了解!ちょっと待ってて」

だって。


あんなに怒っていた私なのに…惚れた弱み。メールが嬉しい。

ハイハイ、待ってますよ。私は貴方のことをずっと待ってます。

パンドラの箱

「2人でパンドラの箱を開けたのかもね」

「分かる。ヤバイな」


そんなやり取りをした後日、会った日。

「あれ、災いがゾロゾロ出て、最後希望が箱の底に残るんだろ?」

「でも、パンドラが蓋を閉めたら希望が、私は大丈夫だから出して下さいって言って、希望も世の中に放たれるんだよ」

「ふーん」


そして、その日、私はついにイクことができた!久しぶりにその感覚で満たされて…とっても幸せ!その前も彼に抱かれてるだけで幸せだと思っていたけれど、彼が気にしていたので私も応えたかったし。

彼が「パンドラの箱、ずっと開けとけ」と甘く囁く。

「うん」と甘えた声で答える。

すっごく幸せな日だった。この日は…。




その10日後、会うのは彼からメールをもらい、いつも彼から誘ってもらってたので、たまには私から誘ってみようかなと思いメールしてみた。

メールした日は秋晴れのとても爽やかな日だったから「いい天気ね」と打とうと思ったけれど、缶詰で仕事中かもしれないし、携帯嫌いだし…と思ってシンプルに予定のお伺いだけにした。そしたら彼からの返信の冒頭が

「いい天気だね!」

びっくり!考えてたこと分かった?こんな些細なことが嬉しいんだから、私って単純。

そして翌週会う約束をした。


いつもどおり軽く食事をして、いつもどおり同じ場所へ。何もかもいつもと同じだったはずなのに…抱かれてる途中で彼から思いがけない言葉が…

「パンドラの箱を開けた責任は取るけど限度を超えたら逃げるぞ。」

(えっ⁉︎どういうこと⁉︎)

頭が混乱する。

「逃げるの?」

「あんまりしょっちゅうだと逃げる。」

その後は何を言ったらいいのか分からず…正直、あまり覚えていない。

ただ、彼が私が彼の身体に触るととても気持ちいいと言って、その後

「多分、情なんだろうな。」

と言ったので、

「私が“愛”情を込めて触ってるからよ」

と、さりげなく「愛」を入れたことだけ覚えている。彼は「うん」と言っただけだったけどね。


帰りの車の中。

私はもう一度ちゃんと聞いてみようと思った。

「どの位で逃げるの?」

「基本あまり逃げないよ。ただ、明日も明後日も、って言ったら逃げるな。」

「それは私が無理。」

「だろ?だからいいんだよ。………」

「……」の部分、よく覚えてないんです。このペースならいいような主旨のことを言っていたと思う。

「いいの?」と聞いた私に、

「いいよ。我慢出来なくなったら言って来い。」

(我慢出来なくなったら?)

再び頭が混乱する。

その後車の中はいつもの他愛のない会話もなく静かだった。耐えられず、

「何か2人で疲れたね」と私。

その後は彼が久しぶりに結婚式に呼ばれている話をしながら…いつもの場所で車を止めていつもどおりお互いの手をギュッと握って、またねって。

彼の手が温かくて、

「あったかい」

「ふふっ」

いつもどおりにしたつもりです。




悲しかった。ショックだった。

何がいけなかったんだろう?

私から誘ったのが悪い?

私何か気に触るようなこと言ったんだろうか?

彼のあの言葉だけが頭から離れず思い出せない。

なんであんな事言うんだろう?

私は貴方の彼女にはなれてなかったんだね?

責任?私がいつ責任取れって言ったの?

この前は「パンドラの箱ずっと開けとけ」って言ってくれたのに?

パンドラの箱の蓋は2人で開けたんだよ?一緒にだよ?

我慢出来なくなったら?そんな風に私のこと考えているの?

いくつもの⁇⁇が頭を駆け巡る。


私は一生彼に片想いしていくんだなと、この日思いました。


だから、「友達以上 彼女未満」なんです。