コスモスを花束にして

大好きな人。50代も後半に再会しました。過去の記事は一部非公開になっているものもあります。

Uちゃんに捧ぐ

私の日課のひとつに

新聞のお悔やみ欄を確認する

ということがあります。


昨日

ひとつの名前に釘付けになりました。


名前と年齢と住所


まさか

でも

こんな名前だったような

そこに住んでいる

と聞いたような


結婚して妻側の姓になった

と聞いたのは

前々回の同窓会のとき。

そして

前回の同窓会も元気な姿を見せてくれてた。



どうか思い違いでありますように。



そう思いながら

同窓会名簿を確認しに自室へ。

名前を探す。


やっぱり。

新しい名前も住所も合っている。


「Uちゃん…どうしたんだよ」


そう呟いて名簿をしまいました。



Uちゃんとは

小学校で同じクラスになり

高校でも同じクラスで

高校生のときは

いつも近くの席で。

特に目立つ子ではなかったけれど

感情の起伏が少なく

いつもニコニコしている子。

嫌味なところも

とんがったところもない

気持ちの穏やかな子。



小学生の頃。

足を痛めて体育を見学にした私。

同じく見学だったUちゃんや2、3人で

体育館へ移動するとき。

「階段降りるとき足が痛いんだ」

と言った私に、Uちゃんは

「僕がおんぶしてあげる」

と言って階段の上でしゃがんで背中を向けてくれた。

私はUちゃんにおんぶしてもらって階段をおりました。

小学4年生のこと。

私は小柄だったけど

Uちゃんも同じくらい小柄だったのに。

途中で「大丈夫?」って聞いたら

「大丈夫!妹をおんぶしてるから!」

って。


特に恋心に発展するとかではなかったけれど

このことは私のなかでは少しくすぐったいような思い出として残っていて。

Uちゃんは優しい子

というUちゃんに対する信頼に繋がっていました。

前髪を目にかかるほど長くしていたUちゃん。

あるとき

風が前髪を吹き上げて額が出たとき。

「Uちゃん!ひたい広くてかわいい!前髪あげてみてー!」

と言って前髪を触ったら

「やめろーー!ダメダメ!」

と照れて笑って逃げたUちゃん。

私はチャンスがあるとUちゃんの前髪を勝手にあげては「かわいい〜」と言って悪戯をしてUちゃんを困らせていた。

高校生のときは前髪をあげて綺麗な額を出してたね。

席が前後で、席替えしても前後でね。

「Uは🌸を起点にして回ってるだけ?」

なんて周りから言われて

「ほんとに〜!」ってふたりで笑ったよね。

前後の席で試験の結果を見せあったり。

Uちゃんは誰に対しても優しくて

相変わらず特に目立つこともしないんだけど

気負ったところもなく優しい声をかける人。

男女関係なく同じスタンスで。





同窓会で会ったとき

小学生のときの「おんぶ」してもらったことを

言ったら

「そうだっけ?覚えてないな〜」

と相変わらずのニコニコ顔で笑ってたね。


なんでそんな流れになったかは忘れたけど

同窓会で皆んながいる前で

「キスする〜?」なんて言って

チュッと触れるか触れないかのキスをしたね。

皆んながびっくりしたけど

Uちゃんはいつものニコニコ笑顔で

ふたりで笑ってしまったね。

今思えばあのときキスしておいて良かった。





もう あの笑顔には会えないんだね。

あの同窓会が最後だったなんて。

コロナでなければ会えていたはず。

また会えると思っていたのに。



Uちゃん

私、Uちゃんの名前が変わっていても

ちゃんと気づいたよ。

ねぇ偉くない?

「すげぇー」

って言ってるかな。

きっと気づかない同窓生が多いと思うけど

そんなこともUちゃんは

「いーんだよ」

ってニコニコ笑っていそうだね。



そんなに特に親しかったわけでもなく

同窓会がなければ会うこともないし

連絡を取り合う関係でもなかった。

なのになんでこんなに気持ちがざわつくのか。


こうして訃報に接し

思い出すのは

Uちゃんのニコニコ笑顔ばかり。

子供のころ

高校生のころ

大人になってから

歳を重ねてからも

笑顔のUちゃんしか浮かばない。



Uちゃん

何故亡くなってしまったのか私には知る術もないんだけど。

奥様と幸せな生活でしたか?

子供さん達は大きくなりましたか?

お孫さんがいたりしましたか?

辛いことはなかったですか?




Uちゃん

幸せな人生でしたか?




Uちゃんお疲れさまでした。

そう言うのでしょうか

こういうとき。



もう一度

会いたかったです

その笑顔に。

あの

陽だまりのような笑顔に。













同級生の訃報に接しました。

タイトルどおりの目的の記事ですので

コメント欄は閉じております。




合掌